フィルムの劣化防止には
アーカイバル保存包材を!

デジタル化
画像提供:(株)資料保存器材(http://www.hozon.co.jp)

アーカイバル保存包材とは

写真フィルムの劣化の記事で述べている通り、ナイトレートフィルムやTACベースのフィルムは劣化が始まると写真フィルム自身から酢酸ガスが放出されます。写真フィルムを保管する容器が資料へ悪影響を及ぼす材質であったり、特にプラスチック等の密封容器などでは酢酸ガスが充満し劣化を促進、加水分解を起こす速度を速めてしまいます。

容器内の環境を適切なものにするため、特に文書等の保管には高い調湿性を持つ桐箱が主に用いられてきました。しかし、写真フィルムでは酢酸ガスの吸着や放出も必要となります。そこで、写真資料の保存に適した安価で扱いやすい厚紙や段ボールの容器が開発され、現在においては写真活性度試験をクリアし、温度、湿度の緩衝だけでなく酢酸ガスの吸収の機能をもった素材などが主流となっています。

このような長期間保存を目的とした容器を総称し、アーカイバル保存包材と呼んでいます。

アーカイバル保存包材の特長

一般的に用いられる段ボールの紙素材は酸性紙を用いているため、写真フィルムへの悪影響がありますがアーカイバル保存包材の素材にはケミカルパルプを使用し、弱アルカリ(pH7.5~8.5)に調整、組み立てのための接着剤やテープ等も長期保存に適したアーカイバルな材料を使用していますさらには外気の汚染物質のシャットアウト、温度変化の緩和をし、容器内の酢酸ガスの濃度を低減させたり、写真フィルムから発生する酢酸ガスを吸収・分解する効果をもったものも開発されています。

アーカイバル保存包材を使用すれば大丈夫?

写真フィルムの劣化を防ぐためにアーカイバル保存包材を利用することは正しい選択ですが実はそれだけでは不十分です。そもそもアーカイバル保存包材は容器内部環境を100%安定させられる事はなく外気環境の影響は受けてしまいます。高機能ではあっても万能ではないため、例えば外気が高温多湿であれば包材にカビが発生しますし、容器内部への影響も完全には防げません。

写真フィルムの劣化を最大限抑えようとするならば、アーカイブ保存包材への収納、さらにアーカイバル保存包材を保管する環境を適切な環境*1に整える事が必須の条件になります。

*1:JIS規格の酢酸セルロース(セルローストリアセテート:TAC)ベースのカラーフィルムの長期保存条件(相対湿度 15-30%、最高許容温度 2℃)に準じた環境下、または東京都写真美術館における特別収蔵庫(相対湿度 45%、最高許容温度 5℃の環境下)

とはいえ上記の条件を整えるのは簡単ではありません。
堀内カラーでは、様々なスキャニング機材とともに、プロラボとして60年間培った信頼やアーカイブ専門部隊のノウハウ等により、写真フィルムの状態チェックと保管方法への適切なアドバイス、アーカイバル保存包材への収納、保管環境のご提案までワンストップでのサービスを提供しています。

大切な写真フィルムをいつまでも保管できるよう、堀内カラーでは、これからもお客様に最適なご提案を行ってまいります。 古い写真フィルムの保存についてお困りの方、まずは一度ご相談ください。

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